注目の園紹介

保護者と同じ想いで「共育て」クオリスキッズの「大人も子どもも楽しめる保育園」とは?

東京・横浜・大阪を中心に全国で36園を展開するクオリスキッズの保育方針は「豊かな人間性をもった子どもを育成すること」。
「特別なことは何もしていないんですよ」と語るのは、クオリスキッズ駒込保育園の新井真由美園長。お話をうかがっているなかで、その言葉には「保育に情熱を傾ける人にとって」という前置きが隠れているのだということが見えてきました。

クオリスキッズの保育者が積み重ねている「特別ではない当たり前」について取材しました。

子どもの主体性を大事にし、保護者と共育する保育の要は「人」

ー園内を見せていただくあいだ、新井園長が職員みなさんに次々と声をかけられていて、和気あいあいとした雰囲気がとてもあたたかく感じました。特に渡辺先生とのかけあいは、息もぴったりでしたね。

渡辺さんとは、保育学生時代からの同級生なんですよ。それぞれ別の場所で経験を積み、クオリスキッズ駒込保育園で一緒に働くことになりました。

クオリスキッズ駒込保育園には、20代前半から70代まで幅広い年齢の職員が19名いますが、そのなかにはもうひとり同級生がいます。給食のリーダーは70代ですし、私は時間があれば食器洗いから保育からなんでもやりますし、「だれが園長かわからない」とよく言われます。でも、それがいいと思っていて。

職員には「園のなかでは老若男女関係ないよ」と伝えています。男性も女性も園長も主任も看護師も栄養士も関係なく、大人の社会のなかでいろいろな声があがることで、園の居心地がどんどんよくなっていく。保育においても、新しいアイディアやチャレンジが次々生まれます。

今回、こうして園長の私がインタビューをお受けしていますが、ここで私がやっていることの成果は、決して私ひとりのものではなくて、クオリスキッズ駒込保育園の職員はもちろん、理解ある保護者あってのことなんですよ。

主任の渡辺先生は、新井園長とともにクオリスキッズ駒込保育園の屋台骨ともいえる存在

ー職員と保護者みなさんがひとつになって環境をつくっていらっしゃるんですね。そんなクオリスキッズで大切にしていることを教えてください。

子どもたちの気持ち・主体性を大事にすることと、保護者の方と共に育てることですね。
これには、さきほどお話しした「園のなかでは老若男女関係ない」ということが欠かせません。

子どもたちの気持ちを大事にするには、まず子どもたちが毎日安心して行きたいと思える保育園でないといけないと思うんです。

大人たちが「今日行きたくないな」と思ってしまう園、それは子どもだったら絶対行きたくないですよ。子どもが行きたいと思える園づくりは、まず大人たちが行きたいと思える園づくりからだと思っています。

じゃあ、大人にとって居心地がいい場所というのは、どんな場所でしょう?
それは、安心して自分の意見が言えて、だれかに業務の負担が偏ることがなくて、自分の得意を活かせ、それをまた周囲から認めてもらえる場所です。老若男女、職種や立場に関係なく自分を出せるというのは、その第一歩ですよね。

その積み重ねのうえで、ここが大人たちにとって「行きたい園」になることで、不思議と子どもたちの環境もよくなるんです。

信頼する先生のそばで、安心して過ごせることが「主体性」につながる

子どもの主体性を大事にすると言葉で言うのはカンタンだけど、実際、じゃあどうしたらいいのっていう「正解」がはっきり決まっているわけじゃないじゃない?

大人には大人の社会があるように、子どもには子どもの社会があり、子どもたちはそのなかで互いに刺激しあい、成長していきます。

私たちは、子どもたちが大人の顔色を伺わず、安心して「自分はこうしたい」という声をあげられる環境を提供していく必要がありますから、そのためにも大人が行きたい園であるというのは欠かせません。


そして、子どもたちが安心して自分を出して、楽しく通っている…その姿を見て、保護者の方もまた安心して園に通わせられる。それが共に育てること。大人も子どもも、みんな信頼しあえている環境が大事だと思っています。

ー保護者と先生は同じ「大人」というくくりになるんですね。

そうですね。保護者も保育士も看護師も栄養士も調理師も事務員もみーんな、子どもたちを共に育てる大人です。保護者と共に子どもたちを育てているという想いから、自然と「大人と子ども」って呼び方になってきちゃいました。

ときどき、保育園でなにか問題があっても、「子どもを人質にとられているから言えない」という保護者がいらっしゃいますよね。そういう感覚で子どもを預けてほしくはないと思います。保護者にも、私たちは共に子どもを育てている「共育て」の仲間だと思っていただきたい。

こうした信頼関係をつくるには、「人」が大事だと考えています。人柄とか……その人の心根みたいなものですね。
いま私は、クオリスキッズの東京、横浜の職員採用の面接も担当していますが、保育の技術よりも人柄、まず「人」を重視しています。保育の技術を磨くのは、入職してからでもできますが、根っこの部分はなかなか変えられませんから。

おかげさまで離職者も少なく、職員同士も、保護者とも、子どもともいい関係をつくれています。


ー職員のみなさんも子どもたちも本当に園生活が楽しそうですよね。さきほども取材スタッフに対し、お散歩から帰ってきた子どもたちは臆することなくわーっと笑顔で話しかけてくれて……「楽しい」が子どもたちの全身からあふれてるなと感じました。

ありがとうございます。先生たちが、子どもたちと過ごす園での時間を楽しんでいるからこそですし、また、先生たちが連携をとるのがすごく上手だからだと思います。

当園の保育環境は、先生側から見ると、正直やりづらいはずです。狭いから仕方ないんですけどね、1,2,3歳が同じフロアで、4,5歳がまた同じフロア。仕切りがなくてオープンだというのは、午睡ひとつとっても難しい面がありますが、連携がしっかりとれているからうまくまわすことができています。

固定観念にとらわれず、自由に遊び込む子どもたち

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