保育士採用動向と就活のやり方徹底解説 就活面接対策

保育士の採用動向は?新卒・中途採用別の就職活動方法を紹介!

各業界でコロナ禍による影響が出ている昨今、保育士の採用動向はどうなっているのか、気になるところですね。

この記事では、最近の保育士採用動向や、保育士の就職活動について紹介します。また、新卒、中途採用別に保育士の就職活動についてもまとめています。保育士の採用、就活について知りたいという人は、ぜひ参考にしてみてください。

保育業界の採用動向

まずは、保育業界の採用動向が最近はどのようになっているのかを見てみましょう。

令和になっても保育士の売り手市場は続く

新型コロナウィルスの流行により、各産業が大ダメージを受けています。これは、学生の就職活動にも深刻な影響をもたらしました。

一方で、保育士業界の採用動向には、陰りがほとんど見られません。厚生労働省「職業安定業務統計」の結果によりますと、全国47都道府県の統計で、令和元年5月に保育士の有効求人倍率が1倍を割ったところは一か所もありませんでした。令和2年5月には、和歌山県の有効求人倍率が0.99、山口県の有効求人倍率が0.94と、ほんの少しだけ1倍を割っています。とはいえ、全体で言えば令和元年から令和2年にかけて20の府県で保育士の有効求人倍率が上昇しています。

大都市での保育士不足は、依然解消されていません。令和2年5月時点の東京都では、有効求人倍率3.05、大阪府では3.33と3倍以上の数値を記録しています。

自治体の処遇改善施策

保育士不足の背景には、責任のある重労働であるにもかかわらず、他の職業に対して賃金が低い保育士の労働環境があるといわれています。

国は、この問題を受け、平成27年度と平成29年度の2回にわたり、保育士賃金の底上げを図る保育士の処遇改善施策を導入しました。

また、自治体の中には、独自の処遇改善施策を行って、保育士人材を集めようとしているところもあります。

例えば、東京都では、キャリアアップ補助金(月額4万4千円)を国の処遇改善施策による保育士の賃金改善分に上乗せして支給しています。

さらに、区別による保育士の支援策も盛んに行われています。一例を挙げると、大田区では、私立保育園の保育士で6カ月以上の実務経験者に年6万円の保育士応援手当を支給しています。また、宿舎借り上げ支援制度で、保育士の住居費を補助する試みも行っています。

就職場所の候補が複数あるなら、まずは、各自治体がどんな処遇改善施策を行っているか事前に調べてみるとよいでしょう。

ホイシルでは全国自治体の処遇改善情報をまとめています。是非、ご自身の地域をチェックしてみて下さい。

保育士の処遇改善情報2020 | 保育士求人も保活(園見学)も園探しなら【ホイシル】

新卒保育士の就職活動の特徴

新卒保育士として就職活動を行うときの流れは、どのようになるのでしょうか。

就職活動の特徴

新卒保育士の就職活動は、自己分析と園の情報収集からスタートします。実際に保育園で働いたことがない保育学生にとって、自分が現場に立った時の姿を具体的にイメージするのはなかなか難しいものでしょう。自分を知り、園を知ることで、理想の将来像を少しずつ作り上げていきましょう。

なお、保育士の就職活動は、一般企業志望の場合と比べてスタートが遅めになる傾向があります。保育園で本格的な採用活動が始まるのは、卒業年の6月からといわれています。公立保育園志望の場合は、1次試験が8月からになることもあります。実は、この時期は、園実習の期間と重なることが多く、保育学生は就職活動+実習という2重の負担にさらされる可能性が高いのです。実習期間前後の就職活動計画をしっかり立て、無理のないようにスケジュールをこなしていくことが大事です。

就活スケジュール

まずは、卒業年度1年前の年明けごろから、自己分析を始めましょう。いよいよ卒業年度に入ったら、就職フェアや合同説明会で園の情報収集を行います。初夏頃から履歴書や応募書類の用意を始め、6月からの私立保育園採用活動に備えていきます。

公立保育園の1次試験は、だいたい8月から始まります。そして、2次試験は、9月から行われることが多いです。

ただし、ここで紹介したスケジュールは、一例に過ぎません。就活スケジュールは、園や自治体によって異なりますので、園の情報収集を行うときに採用試験日程を同時に確かめておくといいでしょう。試験日を明確にすれば、試験対策のスケジュールも組みやすくなります。

よりくわしく就活のながれについて知りたい方は、「【保育士の就職活動】内定までのスケジュールを詳しく解説!」をご覧ください。

就職活動の方法

新卒保育士が就職活動をするためのメジャーな方法を3つご紹介します。

学校の就職支援センター、縁故、実習先

学生にとって、学校に届く求人票をもとにした就職活動は最も身近なものではないでしょうか。学校の先生からの紹介を受けたり、実習先でスカウトを受けそのまま就職したりすることもあります。

この方法だと、学校と縁が深い保育園に就職する場合が多くなるでしょう。定型の就活ルートがある分、安心感はありますが、その一方で、候補園の数が少なくなります。自分の希望をはっきり意識しないまま流されて就職してしまい、後で後悔してしまう……ということがないように気を付けましょう。

就職サイトの利用

最近盛んになっているのが、転職サイトを利用した就職活動です。転職サイトでは、自分の希望条件を指定することで、様々な園の採用情報を検索することができます。深夜や早朝など、時間を問わずに情報収集ができる点が魅力です。

人材紹介サービスの利用 

人材紹介サービスとは、担当のコーディネーターが求職者の希望を聞いて、それにふさわしい就職先を探してくれるというサービスです。採用試験のスケジュール調整や試験対策の相談にも乗ってくれます。

中途採用(潜在保育士)の就職活動の特徴

中途採用の場合、新卒採用の場合とスケジュールや就活方法が少し異なります。

就職活動の特徴

中途採用の場合は、保育士の経験を買われ即戦力としての活躍を求められることが多いです。その分、給料や待遇の交渉が可能であるという点は、新卒保育士に比べて有利です。

一方で、中途採用を狙うということは、以前勤めた保育園に不満があったということでもあります。どうして前の職場を辞めたのか、しっかり分析してから転職活動をしなければ、また同じことを繰り返してしまうかもしれません。自分が職場に求めていることは何なのか、条件を明確にしておくことが重要です。

就活スケジュール

中途採用の場合、新卒採用と違って、決まった就活スケジュールはありません。ただし、求人が出やすい時期というのはあります。それは、1月から3月と、7月から8月です。1月から3月の求人が増えるのは、4月の年度替わりをきっかけに退職する保育士が多いためです。退職者の穴埋めに新規人材を募集するという理由です。一方の、7から8月に求人が多い理由は、職員配置上、追加の人材が求められたり、家族の転勤などの事情から辞める保育士が出たりするためと言われています。

中途採用の場合、4月からではなく、採用後すぐに仕事を始めてほしいと言われる場合もあります。入職日程もしっかり確かめておきましょう。

就職活動の方法

中途採用者の場合、学校の就職支援サービスは使うことができません。代わりに、ハローワークを頼る人も多いと思います。しかし、ハローワークは保育士求人に特化したサービスとは言えません。そのため、ここでは保育士に特化した転職方法を紹介します。

「離職保育士届出制度」の利用

「離職保育士届出制度」は、潜在保育士の復職を支援するための制度です。潜在保育士が、都道府県または保育士・保育所支援センターに届け出をすると、以下のようなサポートを受けることができます。

・就職フェアやセミナー等のイベント情報受け取り

・求人情報の検索、紹介依頼、応募

・マッチングサービス

この届出制度は義務ではありませんが、保育士として復職を望むのであれば、一度利用してみてはどうでしょうか。

転職サイト、人材紹介サービスを利用

転職サイトや人材紹介サービスを利用するという方法もあります。保育士専門の転職サイト、人材紹介サービスを、上手に利用してください。転職サイトは、マイペースにたくさんの求人情報を見たい、いろいろな園に応募したいという場合に向いています。一方の人材紹介サービスは、コーディネーターによるアドバイスや日程調整を臨む人向けのサービスです。事前に希望条件のヒアリングを行い、希望に沿った園を求職者に変わって探してくれます。自分一人で転職活動をするのが不安な人は、利用を検討してみてください。

保育士の知人・友人を頼る

一度は保育士として勤務したことがあるという人は、保育士の知人や友人を頼って就職先を探すという方法もあります。

保育士業界は、常に人手不足です。知人、友人の勤める園でも保育士を募集しているかもしれません。また、保育士業界は割と狭いものなので、知り合いの知り合いが就職情報を教えてくれるということもあります。「保育士に復職したいんだけど、まだ就職先が決まっていない」ということを、周りに伝えておくと、思わぬ声掛けがあるかもしれませんよ。

新卒も中途採用も就活の方法はひとつじゃない

令和になっても売り手市場が続く保育士は、職場を選べるというアドバンテージがあります。その分、どの園に就職したらいいのか迷うことも多いかもしれません。自分の希望する保育園の条件をしっかり設定して、就職活動に挑みましょう。新卒も中途採用も、就職をサポートしてくれる制度やサービスはひとつではありません。自分に合った手段を上手に利用して、理想の職場を探してみてください。

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