札幌市の保育士処遇改善の取り組み

札幌市の保育士向け制度について

少子化が進む現代ですが、保育の現場においては保育士不足や離職率の高さが深刻な問題となっています。

札幌市では保育施設の受け入れ人数の拡大と保育士人材の確保のために、「1.就業継続の支援」、「2.潜在保育士の掘り起こし」、「3.将来の保育を担う次世代の育成」の3つの観点を中心に取り組んでいます。

それぞれがどのような取り組みをしているのか、詳しく見ていきましょう。

就業継続の支援

保育は先生と保護者だけが協力して行うものではなく、地域住民や子育て経験者と手を取り合って助け合って行くことが大切です。

市では、札幌市保育支援者配置補助事業として、保育士の負担を軽減するとともに、離職防止のために保育士の補助をする支援者を配置しています。

また、市の認定保育所などに保育士として勤務する者(採用から3・6・9年勤務を続けた保育士等)に対して一時金を給付する、保育士人材確保のための一時金給付制度も行っています。

札幌市保育支援者配置補助事業

○補助金の交付額(一人当たりの金額)
月の勤務時間(休憩含む)×450円(1施設あたり上限100,000円)

○補助交付対象事業者
認可保育所、保育所型認定こども園、幼保連携型認定こども園、地域型保育事業所

○補助交付対象者(無資格の保育支援者)
次のア~エいずれかの業務に従事する者
ア:保育設備、遊ぶ場所、遊具等の消毒及び清掃
イ:給食の配膳及びあとかたづけ
ウ:寝具の用意及びあとかたづけ
エ:その他保育士の負担軽減に資する業務

令和2年度の申請受付期間は、令和2年7月13日から7月末日までとなっています。
申請方法は、各施設から、札幌市子ども・子育て支援事務センターに郵送で申請して下さい。

保育士人材確保のための一時金給付制度

○給付金額
各年目一律100,000円(交付対象者本人の口座へ直接支給)

○補助交付対象事業者
認可保育所、認定こども園、地域型保育事業所、札幌市一時預かりを実施している幼稚園

○補助交付対象者
次のア、イの要件すべてに該当する保育士資格又は幼稚園教諭免許を有する者を対象。
ア:雇用契約上、その労働時間が1日につき6時間以上、かつ、1月につき20日以上と定められていること。
イ:保育所等において現に保育士等として勤務し、当該年度の4月1日を基準日と、基準日時点で同一の保育所等における勤続年数(系列施設などにおける人事異動等は、同一の保育所等とする)が、保育士等としての正規採用日から起算して、一時金の種類の区分を満たしていること。

※勤務年数の数え方:3年目:勤続3年以上4年未満/6年目:勤続6年以上7年未満/9年目:勤続9年以上10年未満

申請方法は、対象者本人から、札幌市子ども・子育て支援事務センターに郵送で申請して下さい。

潜在保育士の掘り起こし

潜在保育士の掘り起こしでは、5つの取り組みが行われています。

1つ目は、潜在保育士の再就職支援や常勤保育士の負担軽減のために、パートタイムとして、朝・夕など開所・閉所時間帯に保育士を配置するという札幌市潜在保育士短時間就労支援事業です。

2つ目は、保育所などに勤務していない有資格者や、保育士を目指す学生に対する札幌市内の就職支援・あっせんとして、札幌市保育士・保育所支援センター<さぽ笑み>の運営をしています。

3つ目は、未就学児を持つ有資格者や、潜在保育士の復職のための保育料の一部貸付・保育士就職準備金貸付事業です。

4つ目は、有資格者ですが保育の仕事をしていない者に対して最新の情報を提供し、復帰のサポートをするSAPPORO保育士職場復帰セミナーが行われています。

最後の5つ目は、有資格者を対象に市内の保育所などを4〜5ヶ所ほど見学して回る、保育園見学会(バスツアー)です。

それでは、一つずつ詳細を説明していきましょう。

札幌市潜在保育士短時間就労支援事業

パートタイムとして、朝・夕など開所・閉所時間帯に保育士を配置する就労支援事業

○補助金の交付額(一人当たりの金額)
月の勤務時間×170円(20,000円を上限)

○補助交付対象事業者
認可保育所、認定こども園、地域型保育事業所

○補助交付対象者
次のア、イの要件いずれかに該当する保育士資格を有する者(潜在保育士)
ア:保育所等において、保育士又は保育教諭としての勤務経験がない者。
イ:保育所等において、保育士又は保育教諭としての勤務経験があり、保育所等を離職した後6か月以上を経過している者。
申請方法は、各施設から札幌市子ども・子育て支援事務センターに郵送で申請して下さい。

札幌市保育士・保育所支援センター<さぽ笑み>の運営

保育所などに勤務していない有資格者や、保育士を目指す学生に対する札幌市内の就職支援事業

○札幌市保育士・保育所支援センターホームページ
http://www.sapporo-hoho.jp/

○住所/電話、FAX番号
〒060-0042
札幌市中央区大通西18丁目1-26山京大通ビル別館2階202号
TEL:011-624-6171     FAX:011-614-2350

○開所日・時間
月~金曜と毎月第3土曜、10時00分~17時15分(第3土曜は12時00分~17時00分)

保育料の一部貸付・保育士就職準備金貸付事業

未就学児を持つ有資格者や、潜在保育士の復職のための事業

○実施主体
社会福祉法人札幌市社会福祉協議会

○貸付金額及び期間
・未就学児を持つ保育士に対する保育料の一部貸付:月額27,000円以内(未就学児 の保育料の半額を上限)、最大1年以内
・保育士就職準備金貸付:40万(1回限り)

○返済免除要件
市内保育所等に保育士として2年以上就労した場合等。

○問い合わせ先
社会福祉法人札幌市社会福祉協議会地域福祉課生活福祉係(保育士関係資金担当)
〒060-0042
札幌市中央区大通西19丁目1番1号札幌市社会福祉総合センター3階
TEL:011-614-0169

SAPPORO保育士職場復帰セミナー

潜在保育士に対して最新の情報を提供し、復帰のサポートをする事業

○今後の開催予定
令和2年度の実施については、未定のため決まりましたらお知らせします。

○問い合わせ先
札幌市保育士・保育所支援センター
(ホームページ:http://www.sapporo-hoho.jp/)
〒060-0042
札幌市中央区大通西18丁目1-26山京大通ビル別館2階202号
TEL:011-624-6171/FAX:011-614-2350

保育園見学会(バスツアー)

有資格者を対象に市内の保育所を複数見学できる事業

○今後の開催予定
令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の影響を鑑み、実施しません。

○問い合わせ先
札幌市保育士・保育所支援センター
(ホームページ:http://www.sapporo-hoho.jp/)
〒060-0042
札幌市中央区大通西18丁目1-26山京大通ビル別館2階202号
TEL:011-624-6171/FAX:011-614-2350

将来の保育を担う次世代の育成

札幌市では次世代の保育士を育成する制度が整えられています。これから保育士を目指す学生や復職者に対して、資金面から実際の現場の空気感を感じられる職場体験などがあります。

育成事業では、主に6つの取り組みが行われています。札幌市内での就職を考えている方は、ぜひとも積極的にこのような機会を利用して、様々な情報を知り、自分が働きたいと思える保育所に出会って下さい。

1つ目は、保育士になるための養成施設への入学などに必要な準備金や学費、卒業後の就職準備金を援助する札幌市保育士修学資金貸付事業です。

2つ目は、札幌市内に所在する認可保育所、認定こども園、地域型保育事業所、企業主導型保育事業所、札幌市の一時預かりを実施する幼稚園などが一堂に集まり、保育内容や特色、面接などを行うSAPPORO保育園ミーティングの開催をしています。

3つ目は、札幌市内・近郊に所在する保育士養成施設が集まり、各校の個別ブースにおいて教育内容や特色、授業料、オープンキャンパスのお知らせなどをする札幌市内・近郊保育士養成施設合同説明会です。

4つ目は、札幌市内の高校生を対象に夏休みなどの休暇を利用して、札幌市高校生保育職場体験事業を年に2回実施しています。

5つ目は、幼稚園教諭免許は持っているが保育士資格を持っていない者が、保育士資格取得のための養成施設の受講料や代替に伴う雇上費の補助を行う保育教諭資格取得補助事業です。

最後に6つ目は、中高生と保護者を対象にした保育のイメージアップをする保育人材イメージアップ事業です。

札幌市保育士修学資金貸付事業

保育士になるための養成施設への入学などに必要な準備金や学費、卒業後の就職準備金を援助する事業

○実施主体
社会福祉法人札幌市社会福祉協議会

○貸付金額及び期間
月額5万円以内(貸付金の上限は総額120万円以内)
※この他に、入学準備金(入学時)と就職準備金(卒業時)として各20万円以内、最大2年以内。

○返済免除要件
保育士資格を修得して、札幌市内で保育の業務等に5年間従事した場合等

SAPPORO保育園ミーティングの開催

札幌市内に所在する保育所が一堂に集まり、保育内容や特色、面接などを行うイベント

○今後の開催予定
令和2年度の実施について、決まりましたらお知らせします。

○問い合わせ先
札幌市子ども未来局支援制度担当部保育推進担当課
〒060-0051
札幌市中央区南1条東1丁目5大通バスセンタービル1号館3階
TEL:011-211-2346

札幌市内・近郊保育士養成施設合同説明会

札幌市内・近郊に所在する保育士養成施設が集まり、各校の個別ブースにおいて教育内容や特色、授業料、オープンキャンパスのお知らせなどをするイベント

○今後の開催予定
令和2年度の実施について、決まりましたらお知らせします。

○問い合わせ先
札幌市子ども未来局支援制度担当部保育推進担当課
〒060-0051
札幌市中央区南1条東1丁目5大通バスセンタービル1号館3階
TEL:011-211-2346

札幌市高校生保育職場体験事業

札幌市内の高校生を対象に保育園での職場体験を行う事業

○今後の開催予定
令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の影響を鑑み、実施しません。

○問い合わせ先
〒060-0042
札幌市中央区大通西18丁目1-26山京大通ビル別館2階202号
札幌市保育士・保育所支援センター(ホームページ:http://www.sapporo-hoho.jp/)
TEL:011-624-6171/FAX:011-614-2350

保育教諭資格取得補助事業

幼稚園教諭免許は持っているが保育士資格を持っていない者が、保育士資格取得のための養成施設の受講料や代替に伴う雇上費の補助を行う事業

○補助金の交付額【1人あたりの月額】
・養成施設受講料等補助:対象者1人につき補助対象経費の1月2日(100,000円を 上限)
・代替保育士雇上費補助:代替保育士1人1日当たり6,590円

○補助交付対象事業者
札幌市内に所在する幼保連携型認定こども園、幼保連携型認定こども園への移行を予定する幼稚園。

保育人材イメージアップ事業

中高生と保護者を対象にした保育のイメージアップをする事業

○#WELIKE保育!
http://www2.city.sapporo.jp/welikehoiku/

まとめ

札幌市では、保育士が働きやすい就労制度や、保育士を目指す学生への援助がとても充実しています。
市や県外から就職で札幌に来る際にも、これらの情報を有効活用することで、自分に合った職場を見つけることが出来そうですね。

セミナーや交付金の受付期間は、都度更新されますのでHPや自治体のお知らせなどをこまめに確認しておくと良いでしょう。

これからも、保育士と保育士を目指す全ての皆さんの健闘を願っています。

参考サイト:https://www.city.sapporo.jp/kodomo/kosodate/hoikusikakuho/hoikushi.html

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