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高卒で保育士になる方法とは?保育士試験や受験資格もあわせて解説!

 
「保育士」の資格は国家資格のひとつであるため、高卒の学歴でも取得できるのか気になっている人もいるのではないでしょうか。
一般的には、高校卒業後に保育士養成学校に通い、保育士資格を取得する人が多いですが、高卒でも保育士になることは可能です。
では、高卒で保育士になるためにはどのような方法があるのでしょうか。
 
ここでは高卒で保育士になる方法を紹介します。
高卒で保育士を目指している方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
 
 

高卒で保育士になるための方法とは?

 
前提として、保育士になるためには、保育士資格を取得する必要があります。
保育士資格の取得後は都道府県知事に保育士登録を申請し、保育士証を交付されれば、保育士として働くことができます。
つまり、高卒でも保育士資格を取得すれば、保育士として働くことが可能です。
 
高卒で保育士資格を取得する方法は、「保育士試験に合格する」「指定保育士養成施設を卒業する」の2つあります。
 
 

指定保育士養成施設を卒業する

 
2つ目の方法は、「指定保育士養成施設を卒業する」です。
「指定保育士養成施設」とは、厚生労働大臣の指定する保育士を養成する学校や施設のことを指します。
学校や施設といっても、4年制大学、短期大学、専門学校などさまざまです。また、施設によっては夜間部や通信制があるなど、学び方もさまざまです。
 
高卒であれば、指定保育士養成施設の入学資格を満たしているため、受験し合格すれば入学できます。
養成課程はだいたい2年〜4年程度あり、座学や実技など所定の科目を履修することで保育士に必要な知識や技術を身につけます。
 
指定保育士養成施設を卒業した場合、卒業と同時に保育士資格を取得できるため、保育士試験を受験する必要はありません。
 
 

 
 

保育士試験に合格する

 
1つ目の方法は「保育士試験に合格する」です。
「保育士試験」とは、国家資格である保育士資格を取得するための試験になります。
保育士試験の受験には、年齢制限はありませんが、卒業年月日や卒業学科、実務経験の有無など、受験資格を満たす必要があります。
受験資格の詳細については後ほど解説いたします。
 
 

 
 

高卒で保育士試験を受験する場合の受験資格

 
高卒で保育士試験を受験する場合の受験資格は、どの学科をいつ卒業したかが重要です。
卒業年月日や卒業学科により受験資格の条件が変わるので、自分がどの条件に当てはまるのかを確認しましょう。
 
 

保育科の高校を卒業した場合

 
保育科の高校を卒業した場合には、卒業年月日が「1996年(平成8年)3月31日以前」に該当するかで、受験資格の有無が決まります。
該当する場合は、その学歴で保育士資格試験受験の条件を満たしているので、保育士試験を受験することが可能です。
 
 

保育科以外の高校を卒業した場合

 
保育科以外の高校を卒業した場合には、卒業年月日が「1991年(平成3年)3月31日以前」に該当するかで、受験資格の有無が決まります。
該当する場合は、その学歴で保育士資格試験受験の条件を満たしているので、保育士試験を受験することが可能です。
 
 

上記に該当しない場合

 
上記に該当しない場合とは、「1991年(平成3年)4月1日以降」に高校を卒業した人になります。この場合、学歴のみでの保育士資格受験の条件は満たしていません。
受験資格を得るには、児童福祉施設での実務経験が必要となります。
 
 
参考:受験資格(高等学校卒業)/一般社団法人全国保育士養成協議会
 
 

実務経験をつむ方法

 
卒業年月日や卒業学科が受験資格に該当しなかったからといって、保育士資格取得を諦める必要はありません。
なぜなら、「認可を受けている児童福祉施設」で、「2年以上かつ2,880時間以上」働くことで、受験資格を得ることができるからです。
 
 

認可を受けている児童福祉施設を探す

 
認可を受けている児童福祉施設とは、児童福祉法第7条で定められている施設になります。
児童福祉法で定められた児童福祉施設に該当するのは下記の施設です。
 

保育所(利用定員20名以上)
・ 保育所型認定こども園
・ 幼保連携型認定こども園
・ 児童厚生施設(児童館)
・ 児童養護施設
・ 助産施設
・ 乳児院
・ 母子生活支援施設
・ 障害児入所施設
・ 児童発達支援センター
・ 児童心理治療施設
・ 児童自立支援施設
・ 児童家庭支援センター

 
上記の受験資格に該当する施設以外でも、受験資格認定基準に該当します。
 

【受験資格認定基準に該当する施設・事業】
・ 認可外保育施設 (認証保育園、認定保育園 等を含む)
・ 小規模保育事業(小規模認可保育所 等)
・ 幼稚園型認定こども園
・ 地域裁量型認定こども園
幼稚園(特別支援学校幼稚部を含む)
・ 家庭的保育事業(保育ママ 等)
・ 居宅訪問型保育事業
・ 事業所内保育事業
・ 放課後児童健全育成事業 (学童クラブ・放課後児童クラブ・学童保育 等)
・ 一時預かり事業
・ へき地保育(特例保育)
・ 小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)
・ 障害児通所支援事業(保育所訪問支援事業を除く)
・ 一時保護施設
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その他にも
・放課後等デイサービス(児童デイサービス)
・院内保育
・企業主導型保育事業 など

上記の施設で実務経験を積む場合は、事前に都道府県知事に受験資格認定の申請を行う必要がありますので、注意が必要です。
詳しくは「受験資格認定(知事認定)の申請方法」をご確認ください。
 
 

「2年以上かつ2,880時間以上」の実務経験を積む

 
児童福祉施設に該当する施設で、「2年以上かつ2,880時間以上」の実務経験を積むと保育士試験の受験資格を得ることができます。
 
〇フルタイムで働く場合
最短だと週5日の6時間勤務を2年以上続けることで、「2年以上かつ2,880時間以上」の勤務時間をクリアすることができます。
勤務時間が2,880時間以上でも、勤務年数が2年未満であれば、受験資格は得られませんので、注意が必要です。両方を念頭に置いてスケジュールを立てましょう。
 
〇パートで働く場合
週3日の5時間勤務、または週5日の3時間勤務を4年以上続けることで、「2年以上かつ2,880時間以上」の勤務時間をクリアすることができます。
パートで働く場合は、勤務時間にもよりますが、3〜4年程度かかるでしょう。
ライフスタイルに合わせつつ、勤務時間をクリアできるようにスケジュールを調整できるとよいですね。
 
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高卒以外で保育士になるための方法は?

 
高卒以外で、保育士を目指す場合には、どのような方法があるのでしょうか。
ここでは、「中卒で保育士を目指す場合」と「大卒で保育士を目指す方法」の2つを紹介いたします。
 
 

中卒で保育士を目指す方法

 
中卒でも高卒と同様、認可を受けている児童福祉施設で実務経験を経験し、保育士試験に合格することで保育士になることができます。
中卒の場合は、「5年以上かつ7,200時間以上」の実務経験が必要です。
 
〇フルタイムで働く場合
最短だと週5日の6時間勤務を5年以上続けることで、「5年以上かつ7,200時間以上」の勤務時間をクリアすることができます。
 
指定保育士養成施設を卒業し、保育士資格を取得する方法もありますが、指定保育士養成施設に入学するには高卒程度の学歴が必要です。指定保育士養成施設に入学するためには、まずは「高等学校卒業程度認定試験」を受験し、合格を目指しましょう。
 
 

大卒で保育士を目指す方法

 
学校教育法に基づいた4年制大学であれば、卒業するだけで受験資格が認められます。
特に保育関係の学校や学部を卒業する必要はありません。
 
在学中の場合は、「2年以上在学かつ、62単位以上取得済み」が条件となります。
また、受験する年度内に「2年以上在学かつ62単位以上取得済み」の予定であれば、受験する際に条件を満たしていなくても、試験を受けることは可能です。
ただし、年度内に「2年以上在学かつ62単位以上取得済み」の条件を満たせなかった場合は、保育士試験に合格しても合格が認められませんので注意が必要です。
 
また、大学を中退している場合も、「2年以上在学かつ、62単位以上取得済み」の条件を満たしていれば、受験は可能です。
大学中退によって、「2年以上在学かつ、62単位以上取得済み」の条件を満たしていない場合は、高卒と同じ扱いになります。その場合は、前章の高卒で保育士になる方法を参考にしてみてくださいね。
 
 

 
 

まとめ

 
高卒でも保育士になることは可能です。
保育士になるためには、保育士試験を受験するか、指定保育士養成施設に通い、保育士資格を取得しましょう。
 
保育士試験を受験するには、卒業年月日や卒業学科、実務経験の有無など、受験資格の条件を満たす必要があります。
自分が受験資格に該当するか、どうすれば該当できるのかを確認しましょう。
そのうえで、自分の希望やライフスタイルを考慮し、ベストな方法を見つけられるとよいですね。
 
 

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