就職前に身に付けたい保育士として必要な能力とは? 就活面接対策

就職前に身に付けたい保育士として必要な能力とは?

保育実習や職場体験を行った方は実感していると思いますが、保育士の仕事は子どもと遊ぶだけではありません。
保護者宛のおたよりを作ったり、季節や行事の製作物の準備をしたりと、保育士の仕事は子どもと関わる時間以外にもたくさんあります。
そのため、一見すると保育の仕事とは関係ないように見える能力も、保育の現場では必要になるかもしれません。また、保育士以外の資格を取得すると就活の際に他の就活生と差別化できるのでおすすめです。

今回は就職前の空いている時間で身に付けたい保育士としての能力や、保育のスキルアップにつながる資格についてご紹介したいと思います。

保育士の仕事って何をするの?

前述した通り、保育士の仕事は子どもと一緒に遊ぶだけではありません。子どもたちの生活全般のお世話をしながら、遊びを通して心身の発達を促し、社会性を養うことが主な業務になります。保育士は綿密な計画を立てて、日常生活や遊びの中からも子どもの発達を促し、子どもの豊かな成長の手助けを行います。

その中には、
●ピアノを弾いて一緒に歌をうたう
●子どもと一緒に製作を行う
●絵本を読み聞かせて言葉や表現を学ぶ
●身体を動かして運動能力の向上を図る

といった、子どもに関わる業務や、

●パソコンを利用して保育計画や日誌などの書類を作成する
●保護者向けにおたよりを作成する
●行事の準備物で衣装や大道具を作る

といった、直接子どもと関わらないものの大切な業務があります。

それぞれの業務で必要なスキルが違うため、役立つ資格や伸ばしておきたい能力についてご紹介します。

保育士の仕事で必要な能力

保育士の仕事を行う上で身に着けておくと便利な能力とはなんでしょうか。
遊びの知識?子どもの発達に関する知識?童謡を知っている?ということを想像するかもしれませんが、それ以外にも必要な能力はたくさんあります。

パソコン

保育士_パソコン能力

最近では保育の仕事でもパソコンを利用する機会が増えました。
近年、保育園でのICT活用が進んでおり、保護者とやりとりをする連絡帳や園児の登降園の管理をアプリで行うケースも少なくありません。最近では、保育士に1人につき1台のノートパソコンやタブレット端末が支給されている保育園も珍しくありません。

月案や週案といった保育に必要な書類や、おたよりをパソコンで作るということもよくあるため、officeソフトの「Word」や「Excel」に関する簡単な知識や操作スキルは必要な能力と言えるでしょう。
ただし、難しい作業をしなければいけないというわけではありません。

●簡単な表をつくる
●文字を入力して装飾(色を変える、サイズを変える)ができる
●改行やレイアウトの配置ができる
●表やイラストを挿入できる

といった最低限のスキルで大丈夫です。

パソコンの使い方に関しては学校の授業でも行われていると思います。
保育では文章を書くことが多いので、タイピング(文字を打つ技術)が早いと、仕事がスムーズに進みますので文字を打つ練習をしてみるのもいいでしょう。
保育業界はまだまだITに関して苦手意識が高いため、パソコンが得意!という保育士はかなり重宝されますよ。

ピアノや楽器

ピアノというと幼稚園のイメージが強いかもしれませんが、保育園でもピアノを弾く機会は多くあります。

普段からピアノが得意で趣味で弾いているのであれば、童謡を何曲か練習してみてください。子どもによって歌いやすい音域やスピードが違います。子どもに合わせて弾けるように色んなパターンを練習しておくといざという時に役立ちます。

ピアノが苦手でも、ギターや違う楽器が得意なのであれば、伴奏をギターを使って弾くこともできます。色々な楽器に触れることは子どもの成長にも繋がりますので、得意な楽器を活かしてみるのがおすすめです。

管楽器など口を使って演奏する楽器は、子どもに声掛けがしにくいので、保育中に行うのは不向きです。ただ、発表会や誕生会などで保育士が披露する機会があれば、そういった得意な楽器を使って子どもたちを楽しませるのいいでしょう。

裁縫

裁縫は、発表会や運動会の衣装を作るときに必要とされるスキルです。
最近は繰り返し使用できるという点で、発表会の衣装を一から布で作るという保育園も増えています。DIYが得意!という人も小道具や大道具作りで活躍できますので率先して行うと周りの保育士から頼られるでしょう。

絵画

子どもと一緒に製作をするだけではなく、壁面を作ったり行事で大きな飾りを作ったりすることがあります。

画家のような魅力的な絵を描けるようにする必要はありませんが、保育をする中で、子どもから「アンパンマン」や「ディズニー」などのキャラクターを描いてほしいと言われることがあります。なにも見ずにキャラクターを描けるようになっておくと、子どもから人気者になれますよ!何気ない保育の中で使える能力になるので、いくつかパターンを用意しておくことをおすすめします。

きれいな文字

連絡帳やおたよりはパソコンで行うという保育園もかなり増えましたが、まだまだ手書きという園もあります。そんなときにきれいな文字は好印象で目が行きます。

先輩保育士や保護者の方にちょっとした手書きのメモを渡したりする機会があるので、文字はきれいに書くことをこころがけておきましょう。
きれいな文字は保護者との信頼関係にもつながるので、今から練習しておきたいですね。

パネルシアターや手袋シアター

保育を行う中で「給食ができるまであと10分だけ時間がある」「散歩の準備のために5分だけつないでいてほしい」といった場面によく遭遇します。
そんなとき、絵本や手遊びなどで子どもと一緒に遊ぶことが多いのですが、すぐに取り出せるシアター系のものを作っておくと、かなり役に立ちます。
パネルシアターや手袋シアター以外にも、スケッチブックシアターやペープサートなど表現方法はさまざまあります。
大きな書店の保育士向けの書籍のコーナーに型紙が売っていることもありますし、オリジナルで作ることも可能です。
子どもがよく知っている「童謡」をつかったシアターがおすすめです。
話を暗記する必要が無く、歌うだけでいいので、すぐに保育に取り入れることができますよ。

スキルアップにつながる資格

保育士_絵本の読み聞かせ

保育士の業務で役に立つさまざまな能力を紹介してきましたが、中には「スキルアップを明確に現したい」「就職でも有利にしたい」と考える方もいるかと思います。
そんなときにおすすめなのが、保育士のスキルアップにもつながる資格です。
資格は、履歴書にも書くことができ、自分のアピールにもつながりますよ!
受験するためには保育士経験が必要な資格もあります。ぜひ参考にしてみてくださいね。

絵本専門士

国立青少年教育振興機構が主催している絵本専門士資格。
その名の通り、絵本のプロを育てる資格です。

読む場面に適した絵本や、年齢にあった絵本、よみきかせの表現方法などを学ぶことができます。
30コマの授業に出席することと、最終課題の提出が必要となりますが、絵本が好きな人にはおすすめしたい資格です。

絵本は1日1冊以上読む機会が必ずありますので、絵本に関する知識を身につけておくと、保育の場面でとても役立ちます。

参考:絵本専門士

リトミック

子どもの表現活動の一つでもあるリトミック
リトミックはダンスや歌、リズム体操などのレッスンを通して、子どもの協調性・集中力を育む力があります。

リトミックの講師資格を取得していると、保育園だけではなく音楽教室などでも活躍することができ、就職先を考えるときに選択する幅も広がりますよ。
リトミックの資格はさまざまな団体が主催していますが、特定非営利活動法人リトミック研究センターが主催しているリトミック指導員が有名です。
ピアノが得意で趣味で弾いている方は更なるスキルアップのために挑戦してみるのもいかがでしょうか。

参考:リトミック研究センター

子ども環境管理士

子ども環境管理士は自然との触れ合いを通じた体験の場づくりや、自然に関する知識、考え方を学ぶことができる資格です。
外で遊ぶのが好き!という方におすすめの資格です。

自然を活用した遊びだけではなく、子どもの遊びの最適な環境づくりを学ぶことができるので、さまざまな場面で活用することができますよ。

参考:こども環境管理士 公式サイト|(公財)日本生態系協会

幼保英検

英語が得意という方におすすめしたいのが幼保英検。
TOEICや英語能力検定とは少し違い、幼児教育の現場でよくつかわれる表現に特化した英語の資格です。

子どもに対しての英語教育はもちろんのこと、外国籍の保護者対応でも活躍する幼保英検。

グローバル化が進む中で、英語しか話せない保護者の対応や、英語教育に力を入れている保育園で活躍することができ、ニーズが高まっています。

参考:幼保英検

普通救命講習(救命技能認定証)

普通救命講習は各自治体の消防局で行われている技能講習です。

まだ小さな赤ちゃんはなんでも口に入れてしまうもの。保育園だけではなく家庭でも誤飲は赤ちゃんの事故原因のTOPにあがります。
また、あってはならないことですが、残念ながら子どもの水の事故は毎年おこっています。

子どものいざというときに覚えておいて助かる資格が普通救命講習です。

心肺蘇生のやり方からAEDの使い方、子どもの誤飲に対しての対処法まで、普通救命講習の中でも子どもに特化した講習が行われているので、受講してみてくださいね。

保育だけではなく、将来自分が子育てをするというときにも役立ちますよ。

参考:東京消防庁<安全・安心情報><救命講習のご案内>

幼児食、離乳食、野菜ソムリエなど

保育士は子どもに毎日給食やおやつを提供しています。
また、保護者からの育児相談も食の悩み(好き嫌い、席を立つ、アレルギー)は多いものです。

保育士は実際に給食を作ることはありませんが、幼児食や離乳食に関する知識を得ておくと、保護者からの相談にも答えやすいですし、食育活動にもつなげられますよ。
幼児食といった食に関する資格はいくつかあるため、自分が興味のあるものを選んで受講するのがおすすめです。

料理が趣味だったり、野菜や果物に興味がある方はぜひ挑戦してみてくださいね。

参考:
野菜ソムリエ
幼児食インストラクター
ベジタブル&フルーツアドバイザー

モンテッソーリ・ディプロマ

将棋の藤井聡太さんが受けていたということでも話題になったモンテッソーリ教育。

イタリアの医師マリア・モンテッソーリという方が提唱し実践した教育方法です。
モンテッソーリ教育を行っている保育園で働く場合はもちろんのこと、子どもたちが手先をつかう作業などは通常の保育でも十分役立つ知識です。
最近は保護者の方からの関心が高いので、資格を持っているということは自分の強みにもなります。
SNSでも人気なのでチェックしてみてはいかがでしょうか。

参考:東京国際モンテッソーリ教師トレーニングセンター

保育士として求められる能力

保育士として役立つ能力や資格はさまざまなものがあります。

自分が得意としている能力を保育に生かすことができればいいですよね。

今回は保育士として役立つ能力や資格をあげてみましたが、保育士は保護者や職員同士で協力して仕事をする「チームワーク」も必要です。能力や資格以外に、人柄も大切な要素と言えます。

さまざまな経験を積むことで、視野も広がりますので、学校での勉強、友だちとの遊び、いろいろなところへの外出や旅行、たくさんの人とのふれあい、そんな経験も保育士としての糧になるので、何気ない日常生活も大切にしてみてくださいね。

タイトルとURLをコピーしました