一度は退職した保育士の仕事でも、「もう一度、保育士として働いてみようかな」と思っている方も多いかと思います。しかし、再就職はとても不安で緊張してしまいますよね。
この再就職の不安は、「面接はどうすればいいのか」「本当にこれからやっていけるのか」などからくるものだと思います。
そこで今回は、そんな不安を少しでも解決できるように面接の受け方を解説していきます。事前に準備をしておくことで、再就職に向けての緊張を少しでも和らげることができるといいですね。
新卒採用と中途(再就職)採用の違い
新卒採用と中途採用では、面接官の見るポイントが異なります。
まず新卒採用の場合、保育園の面接官からすると「実習を経験しただけの学生」という観点で保育スキルや過去の経験より「やる気」「ビジネスマナー」「保育に対する価値観」などが重視される傾向にあります。
一方で、再就職の中途採用では一度保育士として勤務した経験や、社会人としての能力は既にあるものと判断されるため、即戦力を期待される傾向があります。そのため、保育スキルや過去にどんな経験をしたのかを聞かれることが多くなると思われます。また、保育園を一度退職している場合はなぜ退職したのか理由を聞かれることも多いでしょう。
このように、新卒採用と中途採用では面接官のチェックするポイントが異なるため、面接に対する準備も異なります。
保育士の面接で評価されるポイント
保育士が再就職するための面接では、具体的にどんなことが重視されるのでしょうか?
面接時に見られるポイントを解説します。
保育士としての人柄が評価される
まず、大切なのは人柄です。
人柄は、ほかの業種でも重視される内容ですが、特に保育業界では保育スキルより重視される傾向があります。人柄が重視される理由として、保育の業務において常に子どものお手本でいるのが保育士だからです。子どもや周りの人に対して怒鳴ったり、暴力的な行為をしたりすることは決してあってはいけません。
そのため、どんな性格の人なのか、保育に対してどんな考え方を持っているのかなど細かく確認されます。
また、保育士は子どもだけでなく、保護者への対応も必須になります。大人に対しても人当たりがよく、保護者から信頼される人物かどうかが重視されます。面接では、常に笑顔で明るく受け答えをするように心がけましょう。
過去の経験や保育スキルが評価される
保育経験者の再就職では、過去の経験や保育スキルの期待を持たれます。
退職する前は何歳児のクラスで保育をしていたのか、どんな役職だったのかなど、保育や業務の経験をよく聞かれます。また、ピアノや英語、ダンスなど保育で活用できるスキルがあるのかどうかも面接官は気にします。
育休などで退職した方は出産・育児を通して経験したことを保育にどう活かすのかも聞かれる場合があるので、事前に準備しておきましょう。
コミュニケーションや基本的なマナーが評価される
実は、コミュニケーション能力は面接時の対話からも評価されます。
面接官からの質問に対して、すぐ回答できるのか、何気ない会話のやり取りはできるのかなどを評価しています。また、保育に対してどのような考えを持っているのか、価値観を見ている場合がありますので、どんな保育をしたいのか考えておくといいでしょう。
さらに、基本的な言葉遣いや社会人としてのマナーは身に付いているのか、保育士として清潔感のある身なりや挨拶を意識しているのかなども細かく見ています。
準備が大変だなと感じてしまう方もいると思いますが、笑顔を絶やさず、ハキハキと受け答えができれば問題なくクリアできるはずです。
面接に向けての事前準備
保育士が面接を受けるとき、事前に準備しておくべきことがあります。
面接時に慌てないように、チェックしておきましょう。
面接時の服装
新卒の面接は一般的にリクルートスーツの場合が多いでしょう。
しかし、再就職の面接では、清潔感のあるオフィスカジュアルな服装で受ける方も多いようです。
リクルートスーツの場合、面接官に学生のようなイメージを与える可能性があり、少し頼りないと思われてしまう恐れがあります。
もし、スーツで面接を受ける場合は、グレーやネイビーなどのダークカラーのスーツを選択するといいですね。なお、万が一に備えてストッキングの替えを用意して持っていくことをおすすめします。
面接時の持ち物
当たり前ですが、面接には筆記用具や印鑑などは忘れずに持っていきましょう。面接前に書類を書いたり、メモを残したりと使う機会は多いので、すぐ取り出せるところに入れておくといいでしょう。
また、保育園から書類や冊子などを渡される場合もあるので、A4サイズのものが入るかばんを持っていくようにしましょう。
面接で必ず聞かれること
では、実際に面接で聞かれることとはどんなことでしょうか?
新卒の面接と違い、学生のときに頑張ったことを聞かれることはあまりありません。どんな質問にもスムーズに答えられるように、対策をしておきましょう。
前職の退職理由
保育園側からすると、一番気になるポイントです。
残業が多くて嫌になった、先輩と人間関係がうまくいかなかった……など、本当の理由を答えることで、マイナスなイメージを与える場合もありますが、お互いの認識を合わせることができる場合もあります。
しかし、「採用しても同じような理由で辞められるのではないか?」と今後の不安を煽るような回答はメリットが少ないので控えたほうがよさそうです。例えば、「保育方針が合わなかった」と答えた場合、なぜ合わなかったのか理由を説明するようにしましょう。
これまでの保育経験や保育スキル
前述した通り、就職の保育士は今までの保育経験やスキルを確認されます。採用した場合、どのクラスに配属するか、役職はどうするかなどを考慮するために聞かれています。
何歳児の担任をやったことがあるのか、特別支援への知識はあるのか、などは経験が浅くても今後の仕事にも関わるため正直に答えましょう。また、今後担当してみたい学年など希望があればこのタイミング話しておくのもいいでしょう。
志望動機
面接を受ける前に、保育園を選んだ理由は事前に整理して話せるようにしておきましょう。また、保育士になった理由や再就職しようと思ったきっかけなども合わせて話すのもいいかと思います。
前職での保育経験が浅くても、保育に対する情熱ややる気を伝えるチャンスです。
「保育の現場を離れてみて、もっと〇〇な保育をしてみたかったと後悔したので、次に活かしたい」
「子育てを経験したことで、子どもを預ける保護者の気持ちが理解できた。これからの保護者対応で活かしたい」
など具体的にアピールしましょう。
面接時の逆質問で気を付けること
面接では、「質問はありませんか?」と逆質問の時間が設けられていることが多くあります。そんな逆質問に慌てて答えることで、本当に保育園に興味があるのか疑われてしまう可能性があります。逆質問されてもすぐに答えられるよう、準備をしておきましょう。
逆質問ではHPに記載していることは聞かない
希望する保育園に関してしっかりリサーチをしておきましょう。HPに記載しているような、調べればすぐ分かる内容を質問するのは失礼にあたります。
例えば、「保育方針はなんですか」のように、面接を受ける前に確認すべき事項を質問することは避けましょう。もし、保育方針の詳細について質問したい場合は「保育方針の〇〇の部分は、どのように意識していますか」と具体的に伝えるといいでしょう。
就業における希望を伝える
家族のことや自分の体調のことなど、業務に関係することは事前に伝えておきましょう。
就職したあと、「そんなこと聞いていない」とトラブルが発生する可能性があるため、重要なことは事前に解決しておくことが大切です。
【家庭に関しての質問事例】
・子どもの体調により、急なお休みをいただく可能性があります。もしお休みした場合、貴園ではフォローしていただける体勢はあるのでしょうか?
・育児があり、残業が多くできません。育児中の職員はほかにもいらっしゃいますか?
・月に一度、介護で病院に通っています。希望休を取得することは可能でしょうか?
【保育スキルに関しての質問事例】
・現在、ピアノの練習に励んでいますが、ピアノを使用する頻度はどのくらいあるのでしょうか?
・造形遊びを多く取り組んでいるとホームページに記載がありましたが、具体的に貴園ではどの様な造形遊びに取り組んでいるのでしょうか?
事前準備をしっかり行い面接に臨もう!
再就職の面接は不安で、誰でも緊張してしまうものです。面接を受ける前に、事前準備をしておくことで心に余裕を持つことができます。急な質問に慌てないよう自分の経歴やスキル、志望動機は必ずまとめておきましょう。今までの経験や保育への熱意を、思う存分伝えられることを願っています。
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