慣れ保育(慣らし保育)とは?スケジュールや準備すること、困ったときの対処法

子どもが保育園に通いはじめる際に、多くの園では慣れ保育(慣らし保育)の期間を設けています。
子どもたちが保育園での生活に慣れていくための大切な期間ですが、はじめて保育園に子どもを預ける方にとっては不安もあることでしょう。
今回は慣れ保育(慣らし保育)の目的やスケジュール、事前準備や対処法をご紹介します。

慣れ保育(慣らし保育)とは?

慣れ保育(慣らし保育)は、保育園という家庭とは違う新しい環境での生活に子どもたちがゆっくり慣れていくための期間です。新しい環境に戸惑うことで、子どもはいつも以上に泣いたり、食事や睡眠、体調に変化が出たりします。保護者にとっても、そうした子どもの変化への対応に慣れていくための期間でもあります。
期間は保育園により異なりますが、一般的に1〜2週間程度です。

仕事の都合で、慣れ保育(慣らし保育)の期間を短くしたい、もっと長い時間預かってほしいと思う方もいらっしゃるでしょうが、子どもに大きなストレスを与えないように新しい環境に慣れさせていく慣れ保育(慣らし保育)は子どもの命を守るための取り組みでもあります。

預かり初期はSIDS(乳幼児突然死症候群)の発生率が高いことが過去の事故の調査よりわかっています。
生まれてはじめて母親から離れるという心理的ストレスに加え、集団生活による感染源への接触や疲労などの身体ストレスがかかり、そのストレスがSIDS発生に大きく関わっているという報告もあります。
SIDSを予防する意味でも、慣れ保育(慣らし保育)はとても重要なのです。
入園前に別の保育園やベビーシッターを利用していた場合も、新しく入園する保育園ははじめての環境なので、やはり同じように慣れ保育(慣らし保育)が必要になります。

SIDS(乳幼児突然死症候群)について詳しくは下記記事をご覧ください。
こどもの命を守る、睡眠中の安全管理 ~保育施設で起きる突然死や、預かり初期の危険性など~

「慣れ保育」も「慣らし保育」も同じ意味で使われており、違いはありません。大人主導で子どもを園に「慣らしていく」のではなく、子どもが園生活に「慣れ」ていくという認識から「慣れ保育」と呼ぶ園が増えているようです。慣れ保育(慣らし保育)は、保護者や先生のためでもありつつ、一番は子どものためということを言葉からあらわしているのでしょうね。

慣れ保育(慣らし保育)の基本的なスケジュールと進め方

慣れ保育(慣らし保育)のスケジュールは保育園により異なります。
ここでは実際の例をご紹介します。

▼とある認可保育園の例(標準時間)

時期保育時間
1~7日目9:00~11:00(給食の準備前にお迎え)
8~10日9:00~給食食べるまで
11~14日9:00~お昼寝まで
15日目~通常保育

▼とある認定こども園の例(短時間)

時期保育時間
1~2日目9:00~11:00
3~4日目9:00~給食食べるまで
5日目~通常保育

慣れ保育(慣らし保育)期間中に、体調を崩すなどしてお休みをした場合は、スケジュールが後ろ倒しになることもあるようです。また、なかなか慣れない、ミルクを拒否するなど子どもの様子によっては期間が変わることもあるため、余裕をもってスケジュールできるとよいでしょう。

慣れ保育(慣らし保育)がはじまるまでに準備すること

次に、慣れ保育(慣らし保育)がはじまるまでに準備したほうがいいことをご紹介します。

生活リズムを整える

保育園での登園リズムを想定して、生活リズムを整えておくとよいでしょう。
起床時間や就寝時間、あわせて朝食や夕食、お風呂の時間など、実際に保育園に登園したときをイメージしてスケジュールしておくと、慌てずスムーズに登園できるでしょう。

また、0歳から保育園に入園予定で、完全母乳で育てている場合は、ミルクに慣れておく必要があります。日中の母乳を減らす場合は、最低でも2週間ほどの準備期間が必要なので、はやめに準備できるといいですね。

子どもの特徴を伝える

子どもの特徴を保育士に伝えることも大切です。子どもの性格や日頃の様子、睡眠や食事(離乳食の固さと細かさ)について共有することで、コミュニケーションがとりやすくなるはずです。前もってメモなどに書き留めておくと、忘れずに伝えられるでしょう。

仕事復帰への調整

慣れ保育(慣らし保育)期間中は、保育時間が少しずつ変動していくため、それにあわせてお迎えの時間も変わります
復帰予定時期が決まっていれば、育休中に入園し、慣れ保育(慣らし保育)をすることも認められているので、できれば育休中に慣れ保育(慣らし保育)を終えられるといいでしょう。
慣れ保育(慣らし保育)と仕事復帰が同じ時期の場合は、家族と協力したり、有給休暇を利用したり、ベビーシッターやファミリーサポートを利用したりしている方が多いようです。
家族・保育園・職場と相談して決められるとよいですね。

慣れ保育(慣らし保育)で困ったときの対処法

慣れ保育(慣らし保育)がはじまると、いままでと生活ががらっと変わったことにより、新たな悩みがでてくることもあるでしょう。慣れ保育(慣らし保育)中によくある悩みとその対処法をご紹介します。

子どもが登園時に泣いてしまうとき

自宅や愛着がある人(パパ、ママなど家族)から離れることに対して強い不安が生じてしまう分離不安などがあり、登園する際に泣いてしまうことも。子どもが泣くことは当たり前です。保育園に通い出して慣れれば落ち着くようになるので、焦らずまずはプロに任せましょう。

子どもが体調を崩してしまうとき

入園して間もない時期、まだ免疫力の低い子どもは菌やウイルスをもらいやすく、体調を崩しやすい傾向にあります。発熱したときはもちろんのこと、発熱がなくともいつもと様子が違うとお迎えの要請がありますし、子どもの看病から保護者自身も体調を崩すことも多いようです。
職場復帰されていれば、仕事を詰めすぎないようにできるといいですね。

まとめ

慣れ保育(慣らし保育)の目的やスケジュール、事前準備や対処法について紹介しました。慣れ保育(慣らし保育)は、子どもや保護者にとって、新しい環境に慣れるための大切な期間です。仕事のスケジュール調整も大変かと思いますが、事前にできることを準備し、スムーズに進められるといいですね。

(文:上久保歩美、編集:ホイシル編集部)

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