保育園の種類はなにがある?保育園選びに必要な「特徴」や「違い」を紹介

保育園に子どもを入園させるための活動は「保活」と呼ばれています。はじめて保活をする方にとっては、なにから始めたらよいのか、どのようなポイントを観察すべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
また、保育園にもいくつかの分類があり、その種別によって入園の条件や保育料が変わります。

そこで「保活」を始める時期に知っておきたい、各保育園の特徴や幼稚園との違いなどをご紹介します。

主な保育園の種類と特徴

保育園の種類には認可保育園・認定保育園・認可外保育園・認証保育園などがあり、利用にあたっての条件、保育料、保育時間など、さまざまな違いがあります。それぞれの特徴を理解し、家庭にあった保育園を選びましょう。

認可保育園

認可保育園とは、国で定められている設置基準をクリアし、都道府県知事により認可された施設のことです。
保育室の面積や、非常口の位置など、基準により一定以上の環境が設けられています。
ただし、園庭などの屋外遊技場は近くの公園などでも代替できるなど、基準にも幅があるため、同じ自治体の認可保育園であればどこの園でも同じ保育環境が用意されているというわけではありません。

保育料は保育園ではなく自治体に納め、3歳以降は無料になります。
延長保育や一時保育に規定があるため、預けられる時間が限られる場合があります。一方、数は多くはありませんが、遅い時間帯まで預かりを実施している認可夜間保育園もあります。

入園するためには自治体の選考を受ける必要があり、保育の必要性によって優先順位がつくため、必ずしも希望している園に入れるわけではありません。

認可保育園の中にも様々な種類があり、ニーズや設置によって4つの区分があります。
 

公立保育園:都道府県や市区町村などの地方自治体が運営している保育園
私立保育園:社会福祉法人や学校法人、NPO法人や民間企業などが運営する保育園
公設民営保育園:公立保育園を民営化した保育園
小規模認可保育園:定員が6名以上19人以下の少人数の保育園

 小規模認可保育園

小規模保育園は、対象年齢が0~2歳、定員が6名以上19人以下の少人数の保育園です。
平成27年4月よりスタートした子ども・子育て支援制度の事業のひとつで、これまで19名以下の小規模保育は認可外となっていましたが、子ども・子育て支援事業制度により、市町村の認可事業(地域型保育事業)となりました。

小規模認可保育園には施設形態によりA型、B型、C型の3種類にわかれています。

A型B型C型
職員資格保育士半数以上が保育士家庭的保育者*
職員の配置0歳児3人につき1人
1~2歳児6人につき1人さらに+1人の保育士
0歳児3人につき
1人1~2歳児6人につき1人さらに+1人の保育士
0~2歳児3人につき
1人補助者を置く場合は、0~2歳児5人につき1人の保育士(+補助者)
施設の設備0~1歳児1人当たり3.30㎡
2歳児1人当たり1.98㎡
0~1歳1人当たり3.30㎡
2歳児1人当たり1.98㎡
0~2歳児1人当たり3.30㎡

*区市町村による認定に際して、年齢、一定の資格(保育士、教員、助産師、保健師、看護師など)又は特定の研修修了等の要件を満たした人

認可外保育園

認可外保育園は、都道府県知事から認可を受けていない施設です。
国の定める基準を満たしていないものの、「認可外保育施設指導監督基準」により、施設の設備や職員数などに関しての基準が設けられています。さらに年一回以上の各自治体の立ち入り調査が行われるなど、適正な保育内容や保育環境を維持するための仕組みが設けられています。

認可保育園と比べて、設置・運営基準がゆるやかなので、運営側が独自の教育法を取り入れたり、保護者のニーズに柔軟にこたえてくれたりと、家庭の方針、働き方にあわせて選ぶことができます。

また、保育料は園ごとに独自に設定しているため、園によって保育料に差があります。認可保育園のように収入を反映して保育料が決まる仕組みにはなっていないため、保護者によっては保育料が負担になる場合もあります。

企業主導型保育園

企業主導型保育園は、企業内または事業所近辺に設置された、育児中の従業員向けの託児施設です。延長保育や夜間保育、土日の保育や短時間、週2日のみの利用といった従業員の働き方にあわせた保育をしてくれるのがメリットです。
「地域枠」として、企業の従業員以外の子どもも受け入れられている施設が多いですが、すべての企業主導型保育に「地域枠」が設けられているわけではないので、注意が必要です。

企業主導型保育園は認可外保育園にあたりますが、自治体の認可が必要な保育園と同じ基準が設けられています。また、国が運営費や設備費など認可保育園同等の助成金をだしているため、他の認可外保育園より比較的保育料が安く設定されていることが多いです。

認証保育園

認証保育園は、東京都独自の制度で、都の基準を満たした保育園のことです。開所時間が13時間以上と長時間保育が可能なため、勤務時間が長い保護者や流動的な保護者のニーズに応えられる保育園です。

保育料は上限があるものの、各園で自由に設定できるため、それぞれの保育園で差があります。東京都以外にも自治体独自の基準による保育園制度があるので、暮らしている自治体に確認してみましょう。

認定こども園

認定こども園は、0〜5歳の就学前の子どもを対象に預かってくれる、幼稚園と保育園両方の機能をもった施設です。

就学前の教育が充実していたり、縦割り保育などで異年齢の子どもとの交流がもてるという利点があり人気が高まっています。
認可保育園と同様に選考がある場合もあり、希望している園に入れない場合もあります。

認定こども園は大きく下記の4つのタイプにわけられています。

幼保連携型:幼稚園と保育園の両方の機能をもつこども園
幼稚園型:幼稚園が保育園の機能をもつこども園
保育所型:保育園が幼稚園の機能をもつこども園
地方裁量型:認可外の幼稚園や保育園が認定こども園の機能をもつこども園

保育園と幼稚園の違い

幼稚園は、文部科学省管轄の3歳から就学前の子どもを対象とした教育施設で、入園を希望する園に定員の空きがあれば、保護者の就労の有無などの条件はなく入園できます。
入園の申し込みは希望する園に直接することになります。
基本的にお昼寝のない園がほとんどで、給食の有無も園ごとに変わります。

保育園は厚生労働省管轄の0歳から就学前までの保育が必要な子どもの福祉施設で、保護者の就労や病気などにより、家庭内で子どもを保育できない場合に入園できます。

また、保育園へ入園を希望する場合はその園の自治体の区役所の保育課などへ申し込みます。お昼寝をする園がほとんどで、認可保育園には給食とおやつがあります。

このように保育園と幼稚園では、対象年齢や預かり時間、入園の条件などが異なるため、家庭の方針にあわせて選ぶとよいでしょう。

まとめ

保育園の種類やその違いと特徴など、入園を考えるにあたって知っておきたい基本的な情報をご紹介しました。

保育園の入園申し込みのスタートは、4月入園を目指す場合、おおよそ秋ごろからになります。保育園の違いを知ったうえで、申し込みの時期が来る前に様々な保育園へ見学に行ったり、口コミを見たり聞いたりし、親子で楽しく安心して通える保育園を探しておきましょう。

希望する園に入れない場合もありますので、事前の準備やリサーチは大切です。
保活にはやすぎることはありません。家庭にあった保育園を探し、よい園に巡りあえるといいですね。

保活・園見学支援サイトのホイシルでは、近隣の保育園情報を簡単に検索できます。
気になる保育園があればサイト内から問い合わせや、園見学の申し込みも可能です。

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