【事例集あり】保育実習の目標の書き方 目標

【事例集あり】保育実習の目標の書き方を徹底解説!

保育士の資格を取得するために必要な保育実習。有意義な実習にするために欠かせないのが、目標の設定です。

目標を設定することで、子どもの様子だけではなく、保育者の動きやかかわり方のどこに注目すればよいのか明確になり、保育実習の質が格段によくなります。

とはいえ、保育実習の目標を立てることは、初めての実習では想像が付かず難しいものです。それも毎日目標を立てるとなると、なにを書いてよいかわからないという方も多いのではないでしょうか。

今回は、これから保育実習を行う方へ、保育実習の目標設定や書き方についてご紹介したいと思います。

なお、保育実習の全体的な流れに関しては、『【はじめての実習②】保育実習の流れを徹底解説』を参考にしてください。

なぜ保育実習で目標を立てるの?

最低でも10日間行われる保育実習。毎日違う目標を立てるのは面倒と思うかもしれません。

ですが、保育実習での目標設定は実習の質を左右する重要なキーワードです。具体的な目標の書き方をすることで、実習で得られるものが格段に変わってきますよ。

保育実習で目標を立てる意味とは?

実習の前に目標を決めておくことで、「その日の保育実習で学びたいことを明確にする」ことができます。将来、保育者としてどんな保育をしたいのか、どのような先生になりたいのか、そのためには実習でどのようなことを学びたいのか。1日の目標を考えることで、保育実習中に学ぶことや、自分の動き方にも変化が出てきます。

また、その日の目標を実習担当の保育者に伝えておくことで、適切な役割に配置してもらえる可能性もあります。

実習を通して自分がしたいこと、学びたいことを目標にし、実習をより有意義なものにできるようにしましょう。

目標を立てるときの4つのポイント

保育士_ポイント

初めての保育実習の場合、どんなことをすればいいのかわからず、目標を立ててと言われてもどうすればいいのかわからない、書き方がわからないということもあるかと思います。

目標は人それぞれ、正解はありません。どのようなことを知りたいのかをまず整理することで、目標の書き方も見えてくるはずです。

「子どもを理解する」ことを目標にする

保育園は0歳から5歳までの子どもが生活する場所です。年齢によっても活動や援助の仕方、保育者の声掛けなどが違います。
子どもの発達の違いをより深く理解するために、各クラスの初日は、年齢に応じた子どもの様子を観察できるような目標を立てると、課題が見つけやすくなります。

「保育者の仕事を理解する」ことを目標にする

保育実習は、保育者として働くための練習段階といっても過言ではありません。

保育園のなかで、保育者が実際にどのような働き方をしているのか知ることも、保育実習の目的の一つです。保育者が子どもとどのようにかかわっているのか、年齢によって声掛けに違いがあるのかといったことを実習で注目しておくと、将来「実習の時、あの先生はこうやっていたな」というように自分の引き出しが増えますよ。
また、保育者は子どもにかかわること以外の仕事も多いです。保育の準備や片付け、日誌や週案などの書類作成、行事の打ち合わせなど、実にさまざまな業務こなしています。そのあたりもチェックしてみると、保育者の仕事をより理解することにつながるでしょう。

「保護者とのかかわりを理解する」ことを目標にする

保護者支援も保育者の重要な仕事の一つです。子どもの1日の様子を保護者に伝えたり、保護者が抱える子育ての悩みを一緒に解決したりすることもあります。

保護者とのかかわり方や、どのような支援を行っているのか、普段はなかなか見ることができない部分なので、送迎時の保護者への対応などに同席してみるのもよいでしょう。ただしなかには実習生に聞かれたくないようなデリケートな話題の場合もありますので、同席してもよいかどうか事前に確認するようにしてくださいね。

「実習に対する疑問を解消する」ことを目標にする

実際に保育実習を行ったあと、「あれってどういうことなんだろう」「これはどうしてこうなんだろう」と疑問が生まれることがあります。

保育者に聞いて解決することもありますが、実際に目で見て体験することでより理解が深まります。疑問に思った内容を掘り下げ、解消するためにはどのようなアクションを起こしたらいいのか考えると、おのずと次の目標が生まれてきます。

実習が進むにつれて、どんどん知りたいことが増えていくので、疑問に思ったことや気になったことは常にメモを取る癖をつけておくとよいですね。

目標の書き方事例集 

目標を頭の中で漠然と考えることができても、いざ文章にするとなると表現が難しい……と感じることは良くあります。

どのような書き方をすればよいのか、以下に目標の例をあげていますので、参考にしてみてくださいね。

子どもを理解する目標

【0歳児】
· 0歳児の1日の流れを知る
· 0歳児の食事における形状の違いや咀嚼の仕方を知る
· 0歳児の月齢差による発達の違いを知る
· 月齢差による子どもの運動過程の違いや、言葉以外の表現方法を知る
· 笑顔を絶やさずに積極的にかかわる


【1歳児】
· 1歳児の1日の流れを知る
· 月齢差における子どもの発達の違いを知る
· 子ども同士の関わりを大切にし、見守りながらかかわる
· 1歳児がどのような遊びをしているのか知る
· 自分でできるような声掛けをしながら積極的にかかわる


【2歳児】
· 2歳児の1日の流れを知る
· トイレトレーニングの方法や、子どものトイレの介助の仕方を知る
· 子ども同士の関わり大切にしながら、ごっこ遊びの楽しさを一緒に味わう
· 「おいしいね」などの声掛けをしながら、一緒に食べることの楽しさを味わう
· 2歳児が好きな遊びを通して、発達の変化を知る


【3歳児】
· 3歳児の1日の流れを知る
· 乳児と幼児の生活の違いを知る
· 子どもの名前を積極的に呼び、一緒に遊ぶ事を楽しむ
· 身の回りのことをが自分でできるよう、声掛けの仕方を工夫する
· 一人ひとりと深くかかわり、子どもの思いや気持ちを理解する


【4歳児】
· 4歳児の1日の流れを知る
· 子ども同士の会話、コミュニケーションの方法を知る
· 異年齢児とのかかわりの様子を観察する
· 声掛けの違いによって、子どもの動きに変化があるのか知る
· 積極的に子どもと関わり、乳児との発達の違いに着目する

【5歳児】
· 5歳児の1日の流れを知る
· 子ども同士で相談し、物事を行ったり解決したりする様子を観察する
· 絵本を通して子どもの語彙について理解を深める
· 5歳児でも月齢によって発達の差はあるのか知る
· 子どもの性格や特性に着目し、それぞれの特性に合った声がけを意識する

保育者の仕事を理解する目標

· 給食で苦手なものがある子に対しどのような声掛けをしているのか観察する
· 身の回りのことを自分でできるように援助するやり方を観察する
· 全体で集まっているとき、どのような声掛けをしているのか知る
· 子ども同士のトラブルで保育者がどのように対処しているのか知る
· 絵本や手遊びの際の保育者の工夫を見つける
· 子どもにかかわる業務以外に、どのような仕事があるのかを知る
· 保育者の声掛けにより、子どもにどのような変化があるのか表情に着目する
· 保育者の立ち位置を観察する
· 複数の保育者がそれぞれどんな役割を担っているのか観察する
· トイレの介助の仕方や工夫を知る

保護者とのかかわりを理解する目標

· 保護者に対してどのような声かけを行っているのか観察する
· 保護者の対応で気になる事を保育者に質問する
· 保護者からの要望に対して、保育者がどのように対応しているのか知る
· 保護者の悩みや相談を、保育者がどのように解決に導くか知る
· 連絡ノートの書き方に注目する
· 連絡ノートの活用の仕方を知る
· 連絡ノートをどのように記入しているのか知る
· 連絡ノートのやり取りによって保護者とどのように関係を築いているのか観察する
· おたよりで保護者へのお知らせの仕方を知る
· 保護者の方と積極的に会話を行う

実習に対する疑問を明確にする目標

· トラブルを仲裁するときは、お互いの意見をよく聞くようにする。
· 遊具を使用する際、危険箇所の把握・ケガをどうしていたか考える
· 昨日とは違う声掛けで、子どもに変化はあるか観察する
· 昨日と違う絵本を読むことで、子どもに反応はあるか観察する
· 昨日新しく歌った歌を、どの程度覚えているのか観察する
· 一緒にやった手遊びを再度行い、子どもの反応の違いを知る
· 一緒にやった遊びを再度行い、子どもの理解度を知る
· 先日指摘された事に気を付けながら、子どもと関わる
· あまり話していない子と積極的にかかわる
· 子どもの様子から、年齢にあった遊びを提案する

目標を立てて保育実習に臨もう!!

保育実習の目標を立てることは、最初は難しく感じるかもしれません。ですが、実習を進めていくうちに、自分はこんなことを知りたい、こんな保育者になりたいという目標がおのずと見えてくるかと思います。

保育実習は、保育者として働く大きな糧になるものです。有意義な時間となるよう、目標設定に力を入れてみてくださいね。

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