保育実習レポート「感想」の書き方 書き方

【例文あり】保育実習レポートの「感想」や「学んだこと」って何を書くの?

保育実習では、日誌や指導案といった提出物関連の書類など、書くものが多くあります。そのなかでも、書き方について悩むのが保育実習レポートです。日誌などと比べて長文を書く必要があるので、しっかり書こうと思っていてもなかなか書き始められなかったり、途中で何を書いているのか分からなくなったりする方も多いのではないでしょうか。今回は、保育実習レポートの書き方とそのポイントについて、例文もまじえながら紹介します。

保育実習レポートとは?

保育実習レポートとは、保育実習で学んだことをまとめて学校側に提出するレポートのことです。保育所側に提出する実習日誌も最後にまとめを書きますが、保育実習レポートにも、実習日誌と同じように客観的・論理的に自分が得たことや考えたことを書く必要があります。

白紙から書く場合もあれば、学校によっては「学んだこと」や「心に残ったエピソード」など、フォーマットが決まっている場合もあります。このレポートは、ただ単に学校の成績のために提出するのではなく、自分が保育士になったあとも参考になったり、後輩が見たときに役立ったりすることもあるため、学んだことをしっかりと振り返り丁寧に仕上げていきましょう。

保育実習レポートを書くときの4つのポイント

保育実習レポートは、比較的文章量が多いため、記入欄を見ただけで参ってしまいそうになりますよね。しかし書き方のポイントを知り、順序を追って書いていくと、案外簡単に書くことができるものです。

では、以下の4つの流れとポイントを見ていきましょう。

保育実習で学んだことを書き出してみる

まずは、レポートを書くための材料作りです。子どもの姿から学んだこと、子どもにかかわる保育士の姿から学んだことなど、実習期間中に得たことがいろいろとあると思います。そのすべてを箇条書きでよいので書き出してみましょう。このあと書きたいことを絞っていくのが楽になります。

学んだことを書き出すヒントとして、実習前に決めた目標を軸に考えてみることをおすすめします。また、保育日誌や実習中にとったメモを見返してみるとより書きやすくなるでしょう。

テーマを決める

次に、実習レポートのテーマを決めます。テーマというと難しく感じるかもしれませんが、つまりこのレポートで「何を1番伝えたいのか」ということを考えます。書き出す作業の中で、似たエピソードや学んだことが見えてきたら、それを柱として考えていきましょう。

1つのテーマに対して、取り上げる内容は1〜2個に絞ることがポイントです。内容を絞ることで、レポートがぐんと書きやすくなります。1つの事柄を深めて書いていけるため、濃い内容のレポートに仕上がります。

序論・本論・結論を意識しよう

序論・本論・結論は、論理的に物事を書く際の基本となります。保育実習レポートの場合においては、以下のように言い換えることができるでしょう。

  • 序論=実習内容や最初に挙げていた目標について
  • 本論=実際に保育実習ではどうだったのか
  • 結論=反省と次の目標 

レポート全体でこのように話の筋道が分かるように書くと、見ている人により伝わりやすい文章が書けるでしょう。

失敗も立派な学び

実習中は、失敗してしまったことや保育士から注意を受けたことも、もしかしたらあるかもしれません。「失敗は成功の元」と言われるように、恥ずかしいことではなく大切な学びの1つです。そのため、失敗のエピソードを取り入れる場合は必ずもらったアドバイスとセットにして書いておきましょう。

書く場所としては、本論の部分(保育実習で学んだこと)に盛り込むことができるといいですね。

保育実習レポートの書き方と例文

ポイントが理解できたところで、実際に書き始めてみましょう。前述した序論、本論、結論の流れに沿ったうえで、書き方としては大きく4つの段階に分けて書くと筋道の通ったレポートに仕上がります。例文も参考にしながら進めていきましょう。

実習内容を書く

まず、レポートの書き始めに保育実習期間で何日目になにをしたのかという基本情報を書き入れましょう。自分で振り返るときにわかりやすいだけでなく、次年度以降に実習にのぞむ後輩が読むときにも大変参考になる情報です。

<例文>

今回の保育実習では、1日目から4日目まで子どもたちや保育士の様子を観察させていただき、後半の5日目から7日目は部分実習をさせていただきました。課題に限らず、2日目からは絵本の読み聞かせを経験することができました。

実習前に決めた目標と成果・反省

次に、実習前に挙げていた目標について書き、それに対して学んだことや反省したことなどを続けて書きます。目標を最初に書いておくことで、文章の流れが作りやすくなりますよ。

また、ここで「もっとこうすれば良かった」と反省する点や、アドバイスを受けたことなどを書いておくと良いでしょう。

<例文>

今回の実習で私が挙げた目標は、「保育士の言葉がけについて知ることやその実践でした。この目標にした理由は、学校の授業で子どもに対する言葉がけの大切さを知り、実際に保育士の皆さんはどのように実践しているのかを知りたいと思ったからです。
私が学んだことは、大きく2つあります。1つ目は、「結果ではなく、過程を褒める」ということです。保育現場では、保育士の皆さんは子どもを褒めることを大切にしているのが伝わってきました。しかし、ただやみくもに褒めているわけではなく「がんばっているね」や「ここが上手だね」など、最後の結果ではなく過程のところどころを褒めていることに気が付きました。子どもたちひとり一人も認めてもらえていることに満足している様子でした。ここから、保育士は子どものチャレンジする気持ちや努力をしっかり見て褒めることが大切なのだという事を学びました。2つ目は、言葉がけをしすぎてはいけないということです。私は実習中、子どもに対してことあるごとに言葉がけをしてしまっており、担当の先生から「子どもが集中しているときは声をかけないでね」と注意を受けました。私は、子どもの様子を見ずに、ただ褒めようとしてしまっていたのです。1番大切なのは子どもが活動を通して楽しむことや学ぶことであるという事に改めて気づかされました。

心に残ったエピソード・感想

この項目は、目標に対する成果や反省のほかに、心に残るエピソードがある場合に書いておくところです。今回であれば「言葉がけ」についてレポートをまとめていますので、できればそれに沿った内容のエピソードにするとよいでしょう。

<例文>

4日目は、3歳児のクラスに入らせていただきました。なかなか保育室に入ろうとしない子どもがおり、「一緒に行こう」と何回誘っても全く応答がなく困ってしまいました。そんなときに、担任の先生が「じゃあ、よーいドンで行こうか!」と誘うと、その子どもは目をキラキラとさせて頷き、担任の先生と競争をしながら保育室へ入って行ったのです。やり方や言葉がけひとつで、子どもの様子は大きく変わるものなのだなと思い、とても印象深い出来事のひとつとなりました。

今後の目標を書く

最後に、今回の保育実習での学びや反省から見えた、今後の目標を書きましょう。次回の実習に活かせることはもちろん、また同じ実習先となった場合により実りのある保育実習にすることができます。

<例文>

今回の実習では、いろいろな言葉がけの方法について学ぶことができました。次回の実習では、子どもの様子をしっかりと見たうえで言葉のかけ方に気を付けていけるようにしたいです。

保育実習レポートを書くときの4つの注意点

保育実習レポートを書くときに注意すべき4つの点をまとめました。いざ自分が見返したとき、あるいは後輩がレポートを見たときに恥ずかしくないよう、ここにあげた注意点を最低限押さえておきましょう。

感想文にならないように注意しよう

保育実習レポートは、感想文ではありません。感想文は「〜が可愛かったです」のような「自分の気持ちを書いたもの」、レポートは「〇〇から〜だと考えました」のような「事実から自分の考えを書いたもの」という違いがあります。

「◯◯ということがありました。ここから私が学んだことは〜です」というように、事実と主張を分けて書くことを意識すれば、感想文になってしまうことを避けられるでしょう。

文字数はレポートの8〜9割を埋めるつもりで書く

保育実習のレポートは文章量が多く、なかには2ページにわたって書く学校もあるようです。レポートを見たときの印象として、用紙の8〜9割が埋まるように書いておくことが大切です。あまりにも余白がありすぎるレポートは、見たときに学んだことが少ないような印象になってしまうでしょう。

具体的に、それぞれのパートに対してどの程度書いておくのか、あらかじめ決めておくと文字数を埋める目安がわかるので、書き進めやすいかもしれません。

誤字脱字に気をつける

保育実習レポートは、学校の評価にもかかわるものです。そのため、誤字脱字に気をつけしっかりと仕上げましょう。一度書き終わったものを見返すことはもとより、声に出して読み返すことで誤字脱字だけではなく文章のリズムも整えることができますよ。

学校によってパソコンを使っていいかどうかはまちまちですが、パソコンの場合は自動修正機能があるためとても便利です。ただし、時々間違った表現を選択されることもあるため、おかしいと思ったことは辞書を引いてしっかりと直すようにしましょう。

文末を統一させる

誤字脱字と同じように気をつけたいのが、文末の統一です。文末は「です・ます」か「だ・である」に必ず統一しましょう。「〇〇でした、ここから〜のように学んだ。」と文末が違っていると、文章全体がおかしな印象になってしまいます。

また、「ら抜き」や「い抜き」言葉などにも注意が必要です。文章には、普段の話し言葉のクセが出てしまうことがあるため、文章を打ちながら、もしくは見返すときに必ず確認しましょう。誤字脱字や文末の統一は、保育士になってから文章を書くときにも基本となることです。今から学んでおけるといいですね。

保育実習レポートの書き方を理解して学びをまとめよう

保育実習レポートは、学校に提出するというだけではなく、自分が保育実習で学んだことをもう一度しっかりと振り返ることができる大切な書類です。ただの感想文とは違い、学んだことと、それに対する自分の考えを論理的に書いておくことで、次の実習にも活かすことができるでしょう。

また、文章力は学校生活の間だけではなく、保育士になってからも役立つスキルです。レポートの書き方を十分にマスターし、今後の人生にも活かしていきましょう。

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