【0~2歳児】保育実習日誌「ねらい」の書き方 実習日誌

【0~2歳児】保育実習日誌「ねらい」の書き方

保育実習日誌を書くことに苦手意識をもつ実習生は多いですが、そのなかでも「ねらい」の項目になにを書けばよいかわからない! と頭を悩ませる方は多いのではないでしょうか。

悩まずに書くためには、ねらいの意味や年齢ごとの特徴を知っておくことが大切です。

この記事では、保育実習日誌に書く「ねらい」について、年齢別(0~2歳)の書き方と例文を紹介していきます。

保育のねらいとは

保育所保育指針には、こう書かれています。

『子どもが保育所において、安定した生活を送り、充実した活動ができるように、保育を通じて育みたい資質・能力を、子どもの生活する姿から捉えたものである』【引用元:保育所保育指針

少しわかりにくいように感じますが、要約すると、「保育を通じて、子どもたちのどのような能力を育みたいのか」がねらいの意味になります。

例をあげてみましょう。

・「トイレの排泄に慣れる」

・「いろいろな食品を楽しく食べる」

・「身体を動かして遊ぶ」

・「園生活に慣れる」

・「好きな遊びを見つけて楽しもうとする」

・「粘土の感触を楽しむ」

つまり、「子どもたちにどのように成長してほしいのか」ということです。こうしたねらいを、年齢や発達、興味などに沿って日誌に記入します。

保育実習日誌における「ねらい」とは

保育実習日誌には、「ねらい」「目標」などの項目があることが多いです。基本的には、実習生がその日なにを学びたいのか、なにに注目して過ごすのかという「実習生の目標」を書く項目ですが、それとは別に「保育のねらい」を書く欄がある場合もあります。

前述のとおり、保育のねらいは保育士が子どもたちにどう成長してほしいかと考えて決めているものですので、保育実習日誌に書き入れる場合は、クラス担任の保育士に確認するとよいでしょう。

学校で指定されているテンプレートを使うことが多いと思いますが、保育実習日誌に書く内容については、実習前のオリエンテーションなどで確認しておくと安心です。

なかには、保育のねらいを自分で考えて書いてくださいと指示されるケースもありますので、その場合はこれから紹介する子どもの特徴や例文を参考にしてみてくださいね。

0歳児の特徴とねらい

0歳児の特徴

  • ・心身の発達がめざましく、月齢によって差がある
  • ・身近な大人とのかかわりのなかで、信頼関係を築く大切な時期
  • ・探究活動が活発になる

首が座り、寝返りができ、おすわり、ハイハイ、つかまり立ちと、できることがどんどん増えていく時期です。また、同じクラスのなかに1人で歩ける子もいれば、首が座らない子もいるなど、月齢による個人差があるのが特徴です。そのため、月齢ごとの運動機能の発達をよく知ったうえで、ねらいを考えることが大切です。

また、運動機能の発達とともに、身近な大人とのスキンシップを通して、人とかかわる喜びや楽しみを知っていく時期でもあります。その一方で、初対面の人や覚えていない人の顔を見ると泣くなど、人見知りがはじまる子もいます。

0歳児のねらいの例文

それでは実際にねらいの例文を見てみましょう。保育実習日誌のねらいを保育士に聞いて書く場合でも、どのようなねらいがあるのか知っておくことでより深い学びにつながるはずですよ。

  • 【高月齢】
  • ・はいはいやつかまり立ちなど、いろいろな姿勢であそびを楽しむ
  • ・探索遊びを楽しみながら、自然物に触れて遊ぶ
  • ・指先を使って握ったり離したり、繰り返しの遊びを楽しむ
  • ・活発に体を動かして遊ぶ
  • ・保健衛生に留意し、安定した生活リズムのなかで快適に過ごす
  • 【低月齢】
  • ・オムツを替えたときに、きれいになった心地よさを感じてもらう
  • ・肌を拭いて気持ちよく過ごす
  • ・落ち着いて眠り、目覚めたときに優しく言葉をかけて安心できるようにする
  • ・抱っこやふれあい遊びをすることで、信頼関係を築く

※0歳児は月齢の差で,発達が大きく異なります。実習日誌の中には,高月齢と低月齢でねらいが分けてられている場合があるので注意しましょう。

☆ポイント

・おむつ交換や抱っこをすることなど自体をねらいにするのではなく、それを通して子どもに何を感じてほしいのかを考えられるといいですね。

・ねらいの主語は基本的に「子ども」ですが、低月齢の場合はまだ自分主体で動くことが難しいので、保育士がどのような環境整備や働きかけをするかという視点でねらいを立てることが多いです。

・0歳児は、自分で危険から身を守ったり、体調の変化をうまく伝えることができません。安全な環境の中で、子どもが安心して過ごせるためのねらいはなにか?という視点で考えてみるといいですよ。

こんな時どうする?(0歳児編)

人見知りが激しく、実習生が保育室に入ると泣いてしまう子どもがいる

→人見知りも発達のひとつ。

見慣れない実習生の存在を嫌がり、怖がる子どもがいることは当然です。

これは子どもが見慣れた大人と見知らぬ大人を見分けることができるようになったという発達の証です。無理に泣きやませようとせず、少し離れた場所に座り、穏やかな立ち振る舞いで同じ空間にいるうちに、「この人は怖い人ではないかもしれない」「少し近くに行ってみようかな」と子どもが存在を認識できるようになります。子どもの気持ちを受け止めつつ、積極的に保育にかかわる意欲を忘れずに保育実習にのぞみましょう。

1歳児の特徴とねらい

1歳児の特徴

  • ・自分でやってみたいことが増え、自我が芽生える
  • ・走ったり、跳んだり、運動機能が発達する
  • ・大人とのコミュニケーションを通じて、言語表現が発達する

多くの子どもが自分の足で歩けるようになるので、行動の範囲が広がり、身近な人や物への関心が高まります。また、指先を使ってつまんだり、拾ったりできるようになるので、絵本をめくったり、クレヨンなどでなぐり書きを楽しんだりすることもできます。

身近な大人とのコミュニケーションを通じて、言葉の意味を理解し始めます。やがて、「マンマ」「ワンワン」などの1語から、「マンマほしい」などの2語からなる短い文章が言えるようになり、自分の気持を表現できるようになります。

1歳児のねらいの例文

子どもがしていることに共感し、試みを温かく見守ることができるようなねらいを考えてみましょう。

  • ・保育者が見守る中で、自分でやりたいという意欲を育てていく
  • ・保育者が見守る中で、簡単な言葉のやりとりをしながら友達と遊ぶ
  • ・戸外で元気に遊び、感じたことを態度や言葉で伝える
  • ・一人ひとりの主張を受け止め、安心して生活が送れるようにする
  • ・保育者と一緒に、全身を使った遊びを楽しむ
  • ・スプーンを持って自分で食べる
  • ・好きな絵本を見て楽しむ
  • ・好きな歌を歌ったり、リズム遊びをして楽しむ
  • ・好きな場所や玩具を見つけて、保育者と一緒に遊ぶ

☆ポイント

運動機能の発達について働きかけるねらいや、自分でやってみたいという気持ちをサポートするようなねらいを取り入れるといいでしょう。

こんな時どうする?(1歳児編)

食事の時間になり、「片付けようね」と伝えても「イヤ」と言ってひっくり返って怒り、あそびを終えようとしない子どもがいる。

→気持ちの切り替えができるように

「ごはんを食べたら、また遊べるように、ここに置いておこうね」や「あと3つ積み木をつんだらごはんに行こう」といった子どもが受け入れやすい提案をしたり、子どもが自分で気持ちを切り替えられるように、少し間を置いて待ってあげるといいでしょう。

2歳児の特徴とねらい

2歳児の特徴

  • ・歩く、走る、跳ぶなど、基礎的な運動機能が身につき行動範囲が広がる
  • ・自己主張が強くなり、思いが通らないと泣いたりかんしゃくをおこすこともある。
  • ・言葉が増えてきて、おしゃべりでのコミュニケーションが少しずつできるようになる

2歳児は、歩行や指先の動きなど基礎的な運動機能が身につき、自分の動きをコントロールできるようになります。

また、行動範囲が広がり、ほかの子どもと一緒に遊ぼうとしますが、自己主張が強いためケンカが起きやすくなります。

人とかかわる楽しさを理解しはじめる時期なので、おもちゃや身の回りのものを使い、ごっこ遊びを盛んにするようになってきます。

2歳児のねらいの例文

2歳児は、自分でできることが増えたり、他者とのかかわりを楽しめるようになったりするなかで、自己主張が強くなります。気持ちを受け止めながらも自己を発揮できるようなねらいを立ててみましょう。

  • ・やってみようという気持ちを引き出し、自信につなげる
  • ・色々なあそびを通して、面白さを感じ、興味関心を広げる
  • ・保育者に自分の思いを伝えようとする
  • ・自分と他者に気付き、一緒に過ごす楽しさや嬉しさを感じる
  • ・尿意を感じ、自分でトイレに行き、排泄できた喜びを感じる
  • ・友達や保育者と一緒に食事をする楽しさを感じる

☆ポイント

遊びや生活のルールを少しずつ理解していくので、友だちを誘う言葉を伝えたり、我慢することを教えてあげたりするなど、さりげなく援助できるねらいを考えてみましょう。

こんな時どうする?(2歳児編)

着替えの手伝いをしようとしたが、担任の先生がいいと言って手伝いを嫌がられた。

→子どもの気持ちを受け止めて

まず「〇〇先生がよかったんだね」と子どもの気持ちを受け止めましょう。そのことで満足し、手伝わせてくれる子どももいますが、言葉だけでは満足しない子どもも、もちろんいます。そのときは、しばらくその場を離れて様子を見たり、「〇〇先生、今△△しているね。どうしようか?」などと、子どもに尋ねてみたりしてもいいかもしれません。見慣れない実習生に、手伝われることを嫌がる子どもがいるのは当然です。あきらめずに積極的にかかわる意欲を持ち続け、保育実習にのぞみましょう。

年齢ごとの特徴を理解してねらいを書こう!

ねらいを書くうえで大切なことは、子どもの姿や成長をしっかりとらえることです。

すべては子どもの実態を把握することから始まります。ねらいが書けずに困ったときは、保育実習で心に残った出来事を、素直な気持ちで書き出してみましょう。そこから次のねらいにつながるヒントが見えてくるかもしれません。

保育実習中は忙しく、日誌を書くことはとても大変ですが、子どもの小さな変化に喜びとやりがいを感じられるといいですね。

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